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本郷の一言「熊本こころ相談室」の本郷ひろなか先生が心理学に関する話題を随時更新します ご遠慮なく お問い合わせ←クリック下さい。 096-384-3181 「熊本こころ相談室」にてチーフカウンセラーを務める本郷ひろなか先生は熊本市内各所で開催しているアドラー心理学や心理カウンセリングに関する講演やセミナーで講師を担当、アルフレッド・アドラーの孫弟子にあたるジョセフ・ペリグリーノ博士からは「私の大事な友人にして弟子であるヒロよ。」と呼ばれる程の絶大な信頼を寄せられているアドラー心理学者のひとりです。本ページでは機能不全家庭で過ごし心理的虐待を受け続けた過去から自ら立ち直った経験のある本郷ひろなか先生が、同じく様々な問題や悩みを抱え苦しんでいる方たちのための一言を綴っていきます。 2021年02月07日
勇気づけの条件 虹プロ考察7勇気づけの条件をまとめます。
今まで、この四つのことを解説しましたね。
勇気づけそのものじゃありませんが、がっかりしたときなど、怒って叱ったり非難するのではなく、①相手の行動②その結果③感じた一次感情④相手への願いを伝える「私メッセージ」も解説しました。一見J.Y.Parkさんが叱っている場面でも、彼は日本人の多くの親のように怒って叱りつけていないで、「私メッセージ」を使っているのでした。
四つの勇気づけの中で、虹プロの本質に近いのが、「2、ありのままの自分を認めてあげること」かもしれません。
デビュー曲「Step and a step」の歌詞の中にも「すでに特別な君を誇るべきだから」と言っていますし、J.Y.Parkさんも、虹プロジェクトの中で、参加者に向かって、元々あなたは特別な存在だと言っています。プロジェクトで落ちた人に対しても、「落ちたのは、単にオーディションの求める人と違っていただけで、人間は全員が特別な存在なのだ。」と言っています。彼の信念なのでしょう。
東京予選で、マコさんが「他の練習生は、かわいいコンセプトだったり、かっこいいコンセプトだったりあるのに、自分のコンセプトが持てないことに苦労している。」という意味のことを言った時も、「コンセプトは必要ありません。」「僕たちはもともと特別だからです。」「だから、自分らしく、ありのままでいてください。」と言っていました。
また、彼は、オーディションの視点として「ナチュラルさ」を上げていました。「歌やダンスの技術は教えることが出来るけども、ナチュラルさから生み出されるスター性は教えられない。スター性を持った人材を探しているのだ。」ということも言っていました。
全ての人が、ありのままの自分を認められる世界って、どんなに心地よいでしょうね。 2021年02月06日
もう一つの勇気づけ 虹プロ考察6もう一つの勇気づけは、「努力、過程を認めること」です。
J.Y.Park さんは、よく良いところをほめてもいましたが、「とても努力したことが分かります。」とも声をかけていました。彼は努力することを「誠実」と表現していました。
26年の間歌手として活動してきた彼にとって、歌とダンスは、見れば努力したかしなかったかわかるものでした。
だから、東京予選で、韓国で練習生として2年練習してきたマコさんの、ダンスと歌を見て、「2年という月日は長いといえば長く短いといえば本当に短い期間ですが、本当に誠実に練習したみたいです。誇らしく思っています。」と彼女の努力を認めて、合格を出します。努力を認めてもらったマコさんは泣きじゃくります。J.Y.Parkさんは泣きじゃくるマコさんに「2年間大変なこともあったろうね。」と共感の勇気づけまでしてくれます。まあ、素人の私が見ても、彼女のダンスと歌はまったくの別格レベルで上手だと思いましたが。実際彼女は東京合宿のダンスレベルテストと歌のレベルテストで1位を取りますし、niziUのメンバー発表でも一番最初に呼ばれます。
アヤカちゃんの場合は、ファイナルステージでも「驚くほど成長しました。実力が高いから誉めるのではなく、成長の幅に驚かされたので、ほめてあげたいです。」と彼女の努力、成長を認めていました。アヤカちゃんは、地方予選では素人目で見ても下手でしたが、韓国合宿ではトレーナーが「どうしたの急にうまくなっているけど、」と声をかけるぐらい大幅に成長したのですが、ものすごく努力したのでしょう。
韓国合宿に参加したメンバーの中で、一番歌とダンスの実力がなかったのが、アヤカちゃんです。韓国合宿の個人レベルテストの評価の時に、J.Y.Park さんがにこにこ笑いながらそう話していたので、たぶんそうです。 アヤカちゃんは、東京合宿の時に「私はあきらめない性格なので、最後まで頑張ります。」と言っていて、有言実行で韓国行最終の14人目のメンバーとして滑り込んだ人です。アヤカちゃんはこの時初めて泣きました。 地方予選で、J.Y.Park さんは「実力からすると不合格にするのが当然ですが、あなたのスター性と可能性を認めて合格にします。」と言いました。
たぶん、J.Y.Parkさんが、そのスターとしての魅力を認めて、何とかアヤカちゃんが努力して成長して「デビューできるレベル」までなってくれないかと願っていたのでしょう。 その人の努力や姿勢や過程(プロセス)を認めることは、強力な勇気づけになります 2021年01月24日
叱るということ 虹プロアドラー心理学的5J.Y.Parkさんは、虹っ子たちの良いところを良くほめていましたが、いや、叱ってもいたじゃんとおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。
私たちアドラー心理学では、あれを避けるべき「叱り方」だとは考えません。
アニメのドラえもんでのび太のお母さんがのび太を叱る場面を思い出してください。お母さんは叱るとき必ず「怒って」いますよね。ジャイアンのお母さんがジャイアンを叱るときもそうだし、
サザエさんのなかで波平がカツオを叱る場面でも「ばかもん。」と怒っていますよね。
まあ、これが一般の日本人がイメージしている「叱り方」だと思うのですが、アドラー心理学では、この怒りを伴う叱り方を避けようといっているのです。
それは、どうしても怒りを伴うと、叱ることが勇気くじきになってしまうからです。もちろん、そんな叱られ方をしても、跳ね返してやる気を出して頑張る子はたくさんいますが、「怒りを伴って叱ること」は子どもから勇気を引き出すどころか、勇気をくじいてしまいます。 ところが、J.Y.Parkさんは、参加者の努力が足りなかった時に、全く怒らずに冷静に指摘して「がっかりしました」と自分の感情を伝えています。
このやり方は、アドラー心理学では、「私メッセージ」と呼んでとても優れたコミュニケーション法だと考えています。
電話で大事な話をしていたら、横でわが子が二人で大騒ぎをして聞こえない時、「お前ら聞こえないだろう。静かにしろ!」と怒ってどなったら、それはYouメッセージと言って最もしないほうがいい方法です。Youメッセージで使われる「怒り」は二次感情と呼ばれて、本来の感情である一次感情から派生した感情です。
この場合の一次感情は何でしょうか?騒がれて、大事な話が聞こえないと、「困り」ますよね。「困る」が一次感情です。「怒り」をつい使っちゃう人は、一次感情を
つい二次感情に変えて怒ってしまう癖を持っているだけです。
なぜ、そんな癖を使っているかというと、心の奥底(無意識の中)で「人と競争していたり」「人と戦っていたり」「人を支配しようとしたり」しているのですが、これは無意識に仲にある法則(アドラー心理学ではライフスタイルと呼びます)なので、本人は気づいていない場合もあります。気づいていることもあります。
話を元に戻して、
彼と他の友達と遊んでいたら、ボーリングに行こうという話になり、ボーリングに行ったら、人数の関係で彼と別のレーンになり、残念に思っていると、彼が同じレーンの他の女の子と楽しくボーリングをしているのを見ていたら、嫉妬してむらむらと怒りがこみあげてきて、その後二人きりになって大喧嘩をしました。
「あなたは、本当は、彼が楽しんでいるのを見て自分が楽しくないからがっかりして、そして、さびしかったのではありませんか?そして、さびしすぎて悲しくもありませんでしたか?」と聞いたら、「そうだ。」と同意してくれました。
そう、この時の彼女の本来の感情、一次感情は「がっかり」「さびしい」「悲しい」だったのです。
何の連絡もしないで夜中まで帰ってこなかった配偶者に怒りを抱いて、「なんでこんな時間まで連絡しないでしれっとかえってくるのよ!」と怒鳴った奥さんの一次感情は、「心配」か「不安」でしょう。「さびしかった」のかもしれません。あるいは三つの感情が全部あったかも、人によって違いますが、
このように、一次感情は「困る」「がっかり」「落胆」「悲しい」「心配」「不安」「さびしい」などの期待はずれを抱いた時に感じる感情です。
それで、怒りを使わない私メッセージでは、
子どもが騒いで電話の話が聞こえなくて困った時のケースでは、私メッセージでは、 「パパは今とても大事な話をしてて、お前たちが横で騒ぐとそれが聞こえなくて 困るんだー。」と伝えます。
連絡をしないで遅くまで帰ってこなかった夫に対しては、
仙台の地方予選で「これでこのプロジェクトの成功に自信を持てた。」とまで絶賛されたニナちゃんが東京合宿のダンステストでのパフォーマンスが全くふるいませんでした。J.Y.Parkさんも、練習不足だと思ったのでしょう。音楽を途中で止めて、「とても歌手を目指す人のダンスとは思えない。がっかりしました。」
ほら、日本式の怒りを使う叱り方ではありません。完全に、私メッセージです。
もしかして、J.Y.Parkさんは、アドラー心理学をどこかで学ばれたんでしょうか?違うとしたら、すごいですね。
ただ怒りに任せて怒るのではなくて、改善点を指摘して、その人が改善する気(勇気)になってくれた方がいいですよね。
2021年01月23日
勇気づけの大切さ2 勇気=努力を続ける意欲が湧いてくる 二次プロ、アドラー心理学的考察4勇気づけには、相手をありのままに受け入れることや相手に共感することもあります。共感の中でも一緒に喜ぶことなどは大きな勇気づけになります。
カウンセリングでも勇気づけのことをたくさん話しますし、SMILE勇気づけの人間関係セミナーの中でも、勇気づけは大きな位置を占めています。3章ではこれでもかと勇気づけについて学びましたよね。 勇気づけにおいては、ありのままに認めることや共感することはとても重要視されます。 勇気づけをすると、勇気づけた方も勇気づけられた方もエネルギー(勇気)が湧きます。
※もともと日本語には「勇気」「勇気づけ」という言葉はありませんでした。英語の「エンカレッジ」という言葉の翻訳語が「勇気」で、英語の「エンカレッジメント」という言葉の翻訳語が「勇気づけ」なのです。勇ましいという意味の漢字が使われていますが、「エンカレッジ」にはもともと勇ましい意味、危険なものに立ち向かっていく意味はありませんでした。どちらかというと、当たり前のことをコツコツと続ける根気とか意欲という意味合いの言葉なのです。
虹プロジェクト(見たい人はユーチューブで探してみてください)の東京合宿の最終日に「宝石」(彼女たちは合格のキューブのことを宝石と言っていました。)を一個ももらってなかったマユカちゃんが、ダンスとボーカルとスター性のキューブを一挙に三つもらって大逆転で韓国合宿メンバーに選ばれました。 この時、多くの他の参加者たちがマユカちゃんが三つの宝石をもらう所をものすごく喜んでうれしそうに拍手をしてました。 仲の良かったリクちゃんなどうれしさのあまり号泣していました。 この光景が虹プロジェクトのすべてを象徴していると先に書いたのですが、これは「他人に良いことがあった時にわがことのように一緒になって喜ん」でいますよね。、つまり共感していますよね。つまり、勇気づけしているのです。
先に、虹プロジェクトの中から 3、他人に共感する。特に良いことがあった時に一緒に喜ぶ。
マユカちゃんの場面だけでなく、虹プロジェクトの参加者たちは、いろんなときによく共感していました。他の参加者が褒められるときにそれを嬉しそうに拍手をしたり、「良かったね。」と声をかけていました。その傾向は、マコさんやリクさんやミイヒちゃんのような上位成績者や実力者ほどそうでした。 マコさんが一番最初にメンバーに選ばれた時に、リマさんは自分のことのように泣きじゃくって喜んでいました。リマさんは、ミイヒちゃんが選ばれた時も、泣きながら喜んでいました。これは、マコさんとリマさんとミイヒちゃんが虹プロジェクトに参加する前に、JYPの練習生として助け合っていたぶん付き合いが長かったせいでしょう。
意識の情報処理能力は、一秒間に8ビット~15ビット(情報の単位)、そして無意識の情報処理量はその9万倍とも10万倍とも言われています。
ですから、他人の成功を喜ぶものは、その9万倍の無意識の作用で自分へも成功を呼び込むのでしょう。
大丈夫です。怒りを使うのはただの癖ですから、あなたが「人と競争するのはやめよう」「人を支配するのをやめよう」とかたく決心をして、怒りや嫉妬を使う以外の方法を学び、トレーニングして行けば、あなたは怒りを使わなくなります。 自分以外の人が怒りを使っていたら、それをやめさせようとはしないでください。誰かを変えようとすることは「支配」です。誰かの怒りをおさめようとして、自分も「支配の世界=怒りの世界」に飛び込んでいくのはナンセンスです。道は必ずあります。
勇気づけあっていた虹プロジェクトのメンバーたちは、オーディションという一見競争をするかのごとき場で、競争をしていなかったということになります。逆に良く協力して練習していましたよね。
それは、J.Y.Parkさんが、ことあるごとに、「全員が一人ひとり特別な存在なのだ」と言っていたからかもしれません。 のちにレーダーになったマコさんや実力を伸ばしていったメンバーが、勇気づけあっていたのを見て体験して、その良さを感じたからかもしれません。
勇気づけをしあっていると、人々は、「競争、支配、戦いの枠組み」から離れて、「協力、貢献、仲良く暮らす枠組み」に入っていきます。 NiziUのメンバーも自分たちのことを「親友以上の間柄」と表現しています。
次回、もう一つの勇気づけについて説明します。 2021年01月17日
虹プロジェクトに見る「勇気づけ」の大切さ1 アドラー心理学的考察3虹プロジェクトに見る勇気づけの大切さ1
虹プロジェクトの地方予選に、JYPの練習性が3人登場します。マコさんとリマさんとミイヒちゃんです。3人は練習生だけあって、他の参加者と比べて圧倒的な実力を見せて合格するのですが、
リマさんが登場したときのことです。 リマさんの父親はジブラ(Zeebra)という有名なラッパーで、母親はモデルの中林美和なのですが、リマさんも予選のパフォーマンスで圧倒的なダンスととてもうまい独特な声の歌と自作のラップを披露します。
J.Y.Parkさんは、「あなたのお父さんは日本で尊敬される歌手で、お母さんはモデルの中林美和さんで、そのこともあってすぐれた才能に恵まれていますよね。リズム感がすぐれていて、演技力、感情表現まで持っていて、驚くべきレベルです。ふつうそれくらい恵まれている人は本当は楽なはずなのに、横井さん(リマさんのこと)は、何かを証明しなければならない人のようです。なぜ不安そうに見えるのか?」と問いかけます。
するとリマさんは「私は芸能人の両親の子どもだけど、だからといって私がすごいわけでもない。だから自分の力で自分ができるということを見せたくてがんばってきたんです。」と心の内を見せました。
それに対してJ.Y.Parkさんはいつくしむような目で彼女のことをじっと見つめて、「君は才能あふれる子だよ。肩の力を抜いて、ただ自分自身を見せてくれるだけでいい。音楽に身を任せて。すごく上手にやろうと思わずに。肩の力を抜いても、横井さんは十分に特別な子だよ。」と言って合格を出すのです。
このようにありのままの自分を認めてあげることも、アドラー心理学では「勇気づけ」と呼んでいます。
勇気づけ
勇気づけにはもっともっとあります。虹プロジェクトの中で勇気づけが頻発していますので、いろんな例を挙げて紹介していきます。
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