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本郷の一言2017年01月28日
本郷ひろなかの「嫌われる勇気」解説8 すべての悩みは対人関係の悩みであるアドレリアン本郷ひろなかの「嫌われる勇気」解説 第8回 全ての悩みは対人関係の悩みである
そうなのです、アドラー心理学は、個人(アドラー心理学では一人一人の人間をさすときに「個人」と称します。)は、全体でひとまとまりのもので、部分に分割することなど出来ない存在と考えているので、
個人内には葛藤はない、その人が葛藤のように感じているのは全て自分がやっている自作自演の「イエス、バット」であると考えています。
しかし、対人関係の葛藤は当然あります。個人は一人一人別の存在だからです。別の存在として動き回りますから、当然葛藤が起こるわけです。
哲人が言っているように「孤独」という悩みも、「人というものは当然、多くの人と仲良く交流するものだ。」という前提があった生じる悩みです。
ですから、「孤独」も対人関係上の悩みなわけです。
多くの人は、人と比べて劣等感を感じます。P73からの「劣等感は主観的な思い込み」の中で、哲人はそのことを説明しています。
人と比べて感じた劣等感の悩みは、対人関係の悩みな訳です。
ところが実は、アドラーが言った劣等感は、p79の「優越性の追求」を通して説明してあるように、未来の理想の自分と現状を比較したうえで感じる劣等感のことなのです。
人は誰でも、何歳になっても、「より良くなりたい」と感じています。優越性の追求です。
人間は、いつどこでも、よりよくなりたいと願っています。「青年」もそうです。彼は、よりよくなりたいがために哲人の所を訪れるのです。
「俺はこんなところで終わるイヌじゃないワン。」と主張する犬はいません。
「今に見てろよ。」と努力する猫もいません。
しかし、人間は違います。グレたり、勇気を失ってダメになったりするのも、優越性の追求がうまく行かないと思ったからであって、優越性の追求はしたいわけです。
「より良くなりたい」という優越性の追求こそが人間を人間たらしめている、根源的な欲求なのです。
さあ。そして、優越性の追求の副産物として、必ず出現するのが「劣等感」です。
「今よりも良い良くなりたい」という理想を未来に持ってしまうために、必ず、現状には欠乏感を感じてしまうのです。
これが「劣等感」です。
劣等感は宝物です。
劣等感を克服していく努力をしていく限り、われわれは成長して行けるのです。
この劣等感が、他者との比較のうえで感じる劣等感とは根本的に違うのに注目してください。
他者との比較競争意識が入ってくると、本来の劣等感を変質させていしまうのです。
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