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本郷の一言

2015年10月20日

心の闇

「心の闇」って、聞いたことがありますか?

 

人間の心の中に「闇」が潜んでいる。実はこの考え方は、フロイト精神分析の考え方なのです。

 

人間精神は不合理なもので、ドロドロしたわけのわからない無意識が感情や衝動を作り、人間を動かす。

 

感情や衝動が主人公で人間はその奴隷である。などなど

 

フロイト精神分析は、人間の精神を原因論で考えるので、こんな訳のわからない理論になっていったのです。

 

アドラー心理学は、「心の闇」なんてシロモノがあるとは思っていません。

 

人間精神はとても合理的なものだと思っているからです。

 

私たちは目的論で考えるので、人間がある目的のために感情や衝動を作り出して使っている。人間が主人公で、感情や衝動は道具に過ぎない。と思っています。

 

電話をしていたら、子どもたちがうるさくて声が聞こえません。かんしゃくを起こして、「うるさい。電話が聞こえないじゃないか。静かにしろ!」と怒鳴ったとします。

 

これは、うるさくしている子どもたちを黙らせるために、怒りを作り出して、かんしゃくを起こして怒鳴ったのだ。と解釈します。

 

会社で毎日毎日サービス残業をさせられて、その上、今やっている仕事の納期が間に合いそうにない。

怒りが湧きだして「あー。なんでこの会社は俺にばっかりしわ寄せするんだよ。」と叫んで、会社に火をつけたい衝動まで起こりました。

 

これは、理不尽にサービス残業を押し付ける会社にそれを止めさせたくて、怒りを作り出し、火をつけたい衝動を使ったのだと解釈します。

 

こうやって、人間の精神が合理的に働いていることが分かると、怒りを使って、怒鳴ったり、火をつけたりする以外の方法、代替案が考えられます。

 

一つ目の例の怒りは、「電話の声が聞こえなくて困る」という一次感情の上に発生した二次感情です。怒りなどの二次感情を使うとコミュニケーションがうまく行かなくなるので、

 

一次感情を使って、「電話が聞こえなくて困っているので、静かにしてもらえないかな?」とおだやかに頼むことが出来ます。

※もちろん、怒りを使って怒鳴るという方法が癖になっている人は、癖ですから、なかなか変わりません。辛抱強く、怒りを使わない穏やかな方法を、何回も何回も練習して癖を変える必要があります。

 

二つ目の例の怒りは、本質的に自己防衛の怒りなので、否定する必要はないかもしれません。

 

権利侵害を受けているわけですから、怒りのエネルギーを使って、社会的に訴え出て、ブラック企業的サービス残業を止めさせる行動に出るといいかもしれません。監督庁や組合や弁護士などに相談するというのもいいかもしれません。

 

自己防衛の正当な怒りのエネルギーを使いつつも、破壊的な行動ではなくて、建設的な社会改善行動に出ることも可能だということです。

 

さあ。どこにも「心の闇」なんてありません。

 

これは「心の闇」なんじゃないですか?と思うものがあったら、質問してください。それが、人間精神の合理的な働きから起こっていることを説明して見せます。

 

私たちは、「心の闇」なんてどこにもない。人間精神はとても合理的に働いていると思っているのです。犯罪さえも、合理的に非建設的方向性に走って行っているだけだと思っています。

 

そして、人は、勇気さえあれば、非建設的側面に流れないで、建設的方向に行動していくことが出来ると信じているのです。

 

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