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本郷の一言

2020年08月10日

不幸になる癖、幸せになる癖

人の無意識にある方程式である「ライフスタイル」には、その人ならではの価値観、考え方、癖が入っているのですが、

 

「不幸になる価値観、考え方、癖」と、「幸せになる価値観、考え方、癖」とがあります。

 

例えば、私は昔「なんてひどい奴らで、かわいそうな俺」という見方で人間関係をとらえる癖がありました。これは考え方でもあり、「人間というのは悪い存在だ。」という価値観でもあります。※アドラー心理学では「なんてひどい人たち、かわいそうな私」と呼ばれています。

 

この色眼鏡は、仮に自分が被害者でなくても、少しでも他者と揉めたら発動したりもしていました。もちろん、父に理不尽に叱られたり(父は理不尽なことを良く言う人だったので、)、複数の同級生からひどい目に合ったりしたら、必ず、この色眼鏡を使って、独特のみじめな感情になっていました。悲劇のヒロイン的な感情です。

 

この「なんてひどい人たち、かわいそうな私」という色眼鏡は、典型的な不幸になる考え方の癖です。

 

また、二つ目ですが、例えば、相手がだれであろうと、「この人は私をどう思っているんだろう」と気にすることは、不幸になる考え方です。

 

「普通誰でも気になるよ」と主張する人がいるかもしれませんが、誰かが自分のことをどう思うかは自分の課題ではありません。その誰かの課題です。アドラー心理学では、他者の課題を気にするのは不幸な癖だということが分かっています。

 

不幸になるのが嫌な人は、誰かが自分をどう思っているかを気にしないように練習したほうがいいのですが、まあ、難しいといえば難しいかもしれません。自分一人では、他者が自分をどう思うかを気にしなくなることはできないかもしれません。アドラーカウンセラーに助けてもらってください。

 

似ていますが、自分が相手の機嫌を損ねたんじゃないかとか、他者の感情を気にするのも、不幸になる癖です。なぜならば、他者の期限、感情は、その本人の責任であり、その本人の課題です。

 

他人の感情は気にする必要がないといって、傍若無人に人を傷つけるような言動を取ってもいいと主張しているわけではありません。自分の言動を礼儀正しく、誠実に、穏やかに、やさしいものにしていくのは、自分の課題です。自分の言動を周囲にとって快いものにしていくのは、自分の人格の向上にとって必要なことでしょう。

 

しかし、自分の言動を、「他者の機嫌を損ねないように」とか「他者に嫌われないように」とか「他者に好かれるように」というような、他者の課題を操作する目的のもとに行おうとすると、不幸になってしまうのです。

 

周囲の人が快いように礼儀正しい、穏やかな言動を取るのは、他者への「貢献」ですが、

 

人に「嫌われないように」「好かれるために」「いい人と思ってもらうために」表面上にこやかにしてみせるのは、自分のためにやっている「欲」にすぎません。

 

アドラーが発見した原則は、ここにあります。

 

似たような言動であっても、その人の言動の目的が問題なのです。

 

その人の言動の目的が、自己の欲望を満たすためだけのものであった場合、不幸になります。

 

逆に、その人の言動の目的が、純粋に人助けだったり、人のお役にたとうとする目的、自分の所属しているもの(家族、会社、地域社会、国、世界、地球環境、宇宙)への貢献である場合、その目的が達成されようが達成に失敗しようが、その人は幸せになります。

 

利益がぶつかって、どっちの行動が貢献になるのかが分からないときは、「より大きな共同体」への貢献を考えるといいといわれています。

 

例えば、盗みを働いて家族の生活費を稼いでいたとします。「家族のため」と言い訳できるかもしれませんが、家族よりもより大きな共同体へ損害を与えていますから、これはアウトです。

 

周囲へ貢献する働き、つまり仕事をすることによって生活費は稼がないといけないのです。

 

また、例えば、自分の所属している会社が社会に対して不正を行っていた場合、それを告発することによって是正することは、会社よりも大きな共同体である社会に貢献する意味において当然です。

 

例えば、みんなの生活が楽になるからという目的で、マイクロプラスティックを海洋にばらまくような生活を送ることは、日本よりも大きな共同体である地球環境のためを思えば、やめなければなりません。

 

皆さん、マイクロプラスティックを生み出すレジ袋の使用を削減していきましょうね。

 

まあ、レジ袋を削減していくという行動もアドラーの原則は適用されます。

 

同じ行動でも、「地球環境に貢献するんだ」という意識でやれば、その人の幸福感を高めることに貢献しますし、

 

「みんなから非難されないために」という「欲」の意識でやれば、その人を不幸へ追い込みます。

 

言動の目的によって幸せにも不幸にもなるというアドラーの原則は、どんな小さな言動にも適用されます。

 

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