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本郷の一言

2019年02月01日

子どもの人生を操作しようとする親(動画あり)

子どもの人生を一生懸命操作しようとする親がいます。

 

例えば、自分の人生を後悔して、それを子どもの人生に介入することによって補償しようとする親がいます。

 

子どもの問題、特に子どもの人生に関わる問題にしつこく口をはさみ、自分の望むとおりに誘導しようとするのです。中には、子どもが言うことを聞かないといろいろな脅しや親の権限を使って操作しようとさえします。

 

私の親もそうでした。「うちの親は特別ひどいんだろう。」と思っていたのですが、けっこう同じような親は居ます。

 

自分の立てた人生計画を子どもに押し付けようとするのです。いろんなパターンがあります。

 

ある例です。本当は一個一個違うでしょう。ある人がいろんな事情で大学に進学できなかったとします。世の中にはどんな状況の悪い中でも勉学への夢を捨てずに、自分の希望する大学に進む人がいるのですが、彼は自分が被害者だと思い込みます。

 

こういう人はえてして大学に行って何か勉強したかったのではなく、他人を見てうらやましくて、大学卒というステータスがほしいだけかもしれません。自分の不幸感を「大学さえ出ていれば。」という思いでごまかすのです。

 

彼は、自分がなしえなかった夢を子どもに託そうとします。それで自分の過去が取り戻せた気になりたいのです。

 

夢と言っても自分はさほどその夢の実現のために努力してきたわけではないのですが、自分の子どもにはできるのではないかと夢を見るのです。

 

子どもの人生は子どものものなのですが、自分の思い通りの人生を歩ませたら子どもも幸せになるとごまかすのです。子どもにとってみれば、本当によけいなお世話です。他者を支配する共依存の一つです。

 

人間の幸せは、①自分のことが好きで、②他者を基本的に信頼出来て、③自分が誰かのために役立っていると感じて、初めて幸せになれるのですが、子どもの人生を親が操作すると、自分らしさが失われるので①自分のことを嫌いになります。だから、逆に幸せから遠ざかるのですが、

 

これも例ですが、子どもが小さいうちから、こんこんと言って聞かせます。「お父さんは、家が貧乏で高校までしか進学できなかったが、おまえは大学まで行くことが出来る。頑張って勉強するんだ。子どもは、親よりも偉くなるものだ。そのためにお父さんはどんなことでもしてやるんだから、おまえもそのことを忘れないで、○○家を繁栄させなきゃいかん。」とか言って、子どもを納得させ洗脳しようとするのです。

 

本当は子どもを道具に使って、自分の夢を達成したいだけなのですが、自分のこともだますために「○○家を繁栄させる」などの大義名分を持ってきて、もっともらしくするのです。

 

ここで、幸せという観点から見ると、「親より偉くなる」「貧乏→繁栄」という競争意識を植え込もうとしますから、もし子供が競争意識を持ってしまうと、他者はみんな競争相手=敵ということになって、他者を基本的に信頼できなくなります。つまり、また不幸せの方向に押し出すことになるのです。

 

誤解がないように言っておきますが、子どものために何かしてやりたいという親心を批判しているわけではありません。

 

しかし、本当の親心は子どもの要望をかなえてやるという流れで表現されるもので、子どもの人生を支配操作するのは親心でもなんでもない「欲」だと思うのです。

 

このような親の支配・操作で苦しんだ人は、今度は自分の力で自分自身を解放してあげる必要があります。

 

洗脳で思い込んだ数々の不適切な思い込みを捨て去り、自分らしさを回復し、人から期待されることをすることよりも自分がしたいことをしていく意欲、自分がしたくないことをしない勇気を持つ必要があります。

 

他者からの目を気にし過ぎる傾向を克服し、何でも比較して、比べる傾向を捨て去り、人と競争するのもやめます。

 

ありのままの自分をすてきだと思うようになり、他者と親密につながり、多くの人を助けていくことに喜びを感じるのです。

 

変えていくのは大変かもしれませんが、あきらめなければ、必ず実現出来ます。

 

ちなみに、親子関係に限らず、相手の課題にしつこく絡む「共依存関係」から解放されようとするとき、共依存に依存している相手は、これまで通りの関係を続けようと必死にしがみついてきます。

 

カウンセラーの援助のもとに「共依存関係」から逃れたほうがいいでしょう。

 

 

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