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本郷の一言

2017年01月31日

本郷ひろなかの「嫌われる勇気」解説10 競争の枠組み

アドレリアン本郷ひろなかの「嫌われる勇気」解説 第10回目です。 競争の枠組み

 

他者と比べたり、競争したり、戦ったりしている間は、人は幸せにはなりません。

 

私たちアドレリアンは、「この世は、人びとが協力し合って助け合って成り立っている世界だ。」というコモンセンス(共通感覚)を持っています。

 

原始時代は、何でも村人が協力して行っていました。釣りくらいは一人でできたでしょうが、大きな獲物を狩りに行くときとか、村人の家を建てる時などは、村人が協力して事に当たったはずです。

 

釣りでも、何もかも最初から一人でというのは無理でしょう。

 

竿や釣り糸や釣り針の作り方、道具の使い方、沼や川や海で釣る時のコツなど、最初は誰かに教わったはずです。これも協力です。

 

現代の複雑な社会もそうです。全部を一人でやってしまうなど絶対に無理です。

 

ものすごい種類の職業や役割を分担して、お互いに助け合ってこの複雑な社会を維持しています。

 

この世は助け合う場だし、他者は助け合う仲間です。

 

この共通感覚の現実に合致する意味づけ=思い込みを持っていると健全であり、幸せを感じることが出来るのです。

 

ところが、「この世は競争だ」「この世は戦いだ」「他者は競争相手だ」という意味付け=思い込みは、共通感覚と大きくずれるので問題です。

 

競争や勝ち負けがあるのは、ゲームの中だけです。

 

ゲームの特徴は、ルールと時間や空間の制限があることです。

 

例えば、ジャンケンは、「パーがグーより強くて、チョキがパーより強くて、グーがチョキより強い」というルールがあって成り立ちます。

 

「俺のパーはグーよりも強いんだぜ」と言い出したら、ジャンケンの勝負は成り立ちません。

 

将棋、野球、ラクビー、相撲、100メートル走などなど、ルールがあって、みんながそれを守って初めて、競争や勝負が成り立ちます。

 

人生には、ルールも制限もありません。だから、競争も勝ち負けも成り立ちません。

 

協力と助け合いがあるだけなのです。

 

昔の私もそうでしたが、ゲームでもないのに競争意識や勝ち負けを意識する人がいます。

 

そうすると、未来の理想との間に感じる純粋な劣等感ではなくなって、苦しい劣等感になることがあるのです。

 

そして、中には、苦しい劣等感をごまかすために、自慢をして、競争で勝ったような気になるのです。

 

本当に自分に自信がある人は、競争していないで、ありのままの自分(劣等感込みで)を受け入れてますから、自慢をする必要はありません。

 

自慢をして、優等コンプレックスを振り回すのは、競争の枠組みの中に生きていて、優等コンプレックスを振り回すことで、苦しい劣等感をごまかそうとしているのです。

 

競争の枠組みは、勝ち続けるといいように思えるかもしれませんが、いつかは負けるし、負ける不安などもあるし、多くは勇気をくじかれるし、トラブルも多いので、あまりお勧めしません。

 

だから、p95で、哲人は、「対人関係の軸に競争があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることはできません。」と言っているのです。

 

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