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本郷の一言

2021年02月23日

ライフスタイル 人生の苦しみ 不幸せ

前前回のブログの最後に、「全ての人が、ありのままの自分を認められる世界って、どんなに心地よいでしょうね。」と書いたのですが、
ありのままの自分を認める、ありのままの他人を認めるのが、勇気づけの基本です。

 

では、なぜ、勇気づけをした方がいいのでしょうか?
それは、自分の「ライフスタイル」の改善のためと、「ヨコの関係」の構築のためです。

 

「ライフスタイル」というのは、無意識の中にある方程式=プログラム=人生の脚本のことなのですが、アルフレッド・アドラーは、人生のスタイルという意味で「ライフスタイル」と呼びました。
私たちは、つい無意識的に頑張ってしまう時、特にストレスにさらされてどうにかしようとするときに、この子どものころからしまっておいた自分の「ライフスタイル」に沿って物事を処理しようとしてしまいます。

 

多くの人が「以前はそうじゃなかったんです。」「以前はもっとゆったりとしていたんです。」と主張します。そうなのです。多くの人にとって、「ライフスタイル」は常時発動しているものではなくて、ストレスにさらされた時に発動する物語なのです。もちろん、私のように子どものころから常時ライフスタイルを発動させている人もいます。そういう人は、「子どものころから苦しんでいました。」とか、「いつも同じようなことが起こるんです。」と言います。

 

とにかく、人間関係に問題が生じたり、人生が苦しくなったり、うつやパニックや神経症的症状が出るのは、「ライフスタイル」が大元です。ですから、急がば回れでライフスタイルの改善をするのが幸せで安心できる人生を送るのには必須です。

 

もちろん、ストレスにさらされたとき「ライフスタイル」は活性化するので、
ストレスをなくすという方法もかなり有効です。ただこれは根本的な解決とは程遠いです。出来れば、ストレスをなくすことで、苦しみや症状を軽くしておいて、その間に「ライフスタイル」の改善をした方がいいでしょう。

 

例えば、ライフスタイルには、自分についての思い込みも入ってます。

 

自分に自信がなかったり、自分ってダメな人間だなあと思っている人がいます。そこまで行かなくても、自分に対して漠然とした不安を持っている人もいます。これらは全て、ライフスタイルの中の「自分についての思い込み」の働きです。

 

ですから、ライフスタイルの改善を放っておいて、いくら自分に自信をつけようと頑張ってみてもうまくいかないでしょう。逆に「人には負けないぞ」と頑張れば頑張るほど逆効果でしょう。
なぜかというと、自分のライフスタイルに沿って頑張ってしまうので、逆に自分の古いライフスタイルを強化してしまうからです。

 

ネットや本で良い方法を探して収集して、自己改造をやっている人も、この落とし穴に落ちてしまいます。
自分を向上できそうな方法を集めて頑張れば頑張るほど、自分のライフスタイルに沿って頑張ってしまうので、逆に自分の古いライフスタイルを強化してしまうからです。あるいは、アクセルとブレーキをいっしょにやってしまい堂々巡りをするからです。

 

例えば、合気道の基本は背をまっすぐに伸ばすことで、太極拳の基本は背中を丸めることです。この両方をいっぺんに実践したら、両方ともダメになってしまいます。
これが、ネットや本から良い方法を収集して向上しようというやり方が絶対にうまくいかない理由です。

 

細かいことを言えば、自分に自信がなかったり、自分のことをダメだと思うのは、人と人を比較して、人に優劣をつけ、競争するような根本的な思考法(競合の枠組み)を取っていることに大元があります。
だから、「人に負けないぞ」と競争意識丸出しで頑張るのは、全くの逆効果なのです。競合的な思考法が強化されてよけいに苦しむでしょう。

 

ちゃんとしたトレーナー(例えばアドラー心理学カウンセラー)から手ほどきを受けて、競合の枠組みから抜け出す練習をする必要があるのです。

 

え?じゃあ、競争に勝っているような人もダメなのか?って?

 

実はそうなのです。予言しておきましょう。他人との競争に勝って、優越感に浸っているような人も、その満足は一時的なものにすぎず、やがて苦しみと不幸がやってくるでしょう。

 

人と人を比較して、人に優劣をつける思考法は、ありのままの自分を認め、ありのままの他人を認めることの正反対で、不幸せと苦しみを招きよせます。

 

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